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発明ブックレット11

植物特許
−植物新品種の保護のあり方−

著者浅野 勝美
本体価格485円
判型・頁数A5版・62頁
ISBNコードISBN4-8271-0327-5
発行日1991年11月20日
発行所社団法人 発明協会


■ 目次

第一章 植物特許とはなにか――その意味と論点
   1. 植物特許とは
   2. 植物新品種を保護する理由
   3. 植物特許を概念分けする実益
   4. 何故議論が起きたのか
   5. 現代的意義
第二章 わが国における保護体制
   1. 特許法による保護
   2. 種苗法による保護
第三章 外国における植物新品種の保護の実態
   1. アメリカ
   2. ヨーロッパ諸国
第四章 特許権と植物新品種
   1. 遺伝子特許と植物新品種
   2. 育種増殖方法の特許と植物新品種
第五章 両制度による保護の比較と問題点
   1. 権利の脆弱制
   2. 農家の自家採種
   3. 保護対象の限定
   4. イミテーション品種
   5. 手続上のデメリット
第六章 改善多項制の活用による新品種の保護の強化
   1. 増殖権について
   2. 収穫物
第七章 種苗法改正の動き
第八章 特許庁審査基準改正の動き
第九章 権利の取得方法
   1. 特許法の場合
   2. 種苗法の場合
第十章 植物特許のあり方

■ はしがき

  植物新品種の保護は、これを穀物などの食料生産の元という観点からみると、人類の存亡にもかかわる重大問題であり、国家間の利害が複雑に絡み合う国際問題・貿易問題でもあります。しかし、わが国の現状はこのような重大問題であるにもかかわらず、国家的な意見統一すらおぼつかない有様です。これでは将来必至と思われる農産物の自由化に有効に対処し得るか心許ない限りです。
  私はこういった状況の中で、植物特許とは何が問題で、現状をどうすればよいのかを考える材料を提供するつもりで、この本を書きました。したがって、記述はできるだけ平明簡潔、客観的にし、自説は極力避けました。読者の方々の忌憚のないご教示ご叱声を頂ければ幸いです。
  最後に、この本は色々な方々からのご教示がなければ成立しませんでした。とくに中山信弘、池谷欽一、平木祐輔の諸先生には直接あるいはその著書を通して格別のご指導を受けました。また、特許庁審査基準室、農林水産省種苗課、弁理士会、社団法人農林水産先端技術産業振興センターには資料提供などを通じ、社団法人発明協会には種々細々の点でお世話になりました。記して改めて感謝の意を表します。

  一九九一年十一月

 東京・日野にて      
 浅 野 勝 美





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